箪笥のこやし

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どろろ 第24話 「どろろと百鬼丸」感想考察 幼年期の終わり

炎に包まれる醍醐の城。運命に翻弄される血を分けた兄弟。どろろ、寿海、縫の方はそれぞれの想いを胸に抱え城へ向かう。産声さえあげられなかったその命が辿り着く先は、果たして―。

引用元:TVアニメ「どろろ」公式サイト

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

旅路の果てに、百鬼丸が得たもの――

 

 

多宝丸に問う百鬼丸

 「お前は足りない、俺のように」

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

戦い続ける百鬼丸と多宝丸。

戦いの中、百鬼丸は多宝丸の胸の穴を目にし「すべてを持っているはずの多宝丸がなぜ満ち足りていないのか」を問う。 多宝丸は、百鬼丸が奪ったから」無いのだと答え、百鬼丸「返せ」と・・。

 

陸奥と兵庫の思い出をちらちらいれてくるのヽ(;´Д`)ノヤメテー

そして多宝丸が百鬼丸みたいなこと言ってるよね(`・ω・´)

 

城へ向かう縫の方

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

百鬼丸と多宝丸のいる城へ抜け道を使い向かう縫の方。どろろは置いてけぼり。

どろろをあえて連れて行かないところを見ると、縫の方は死ぬ気ですね・・・。

 

 

百鬼丸が出した答え、人間とはなにか

「分からない・・・ただ・・・同じだ、お前も。お前は・・・人だ」

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

百鬼丸は多宝丸を追い詰めるが、彼にとどめをさすのを踏みとどまる。

その理由を多宝丸に問われると「理由は分からない。けど自分は足りないものがあって胸に穴が開いてるけど鬼神じゃなくて人間だし、多宝丸も同じ様な人間だから仲よくしよう」(超訳と・・。

  

他人の痛みや辛さ、体験したことを完全に理解することは難しい。けれども、その相手の気持ちを想像し、思いやることは出来る。
百鬼丸が今回得たのは、その思いやり、共感する力。多宝丸の気持ちに寄り添って考え、彼への理解を示すこと。今作で百鬼丸本当に人間性を手に入れた瞬間だと思いました。

この会話を、もっと早く出来ていれば・・・。

しかし、多宝丸今作でホント愛されてるよね・・・。

 

 

 

倒される最後の鬼神

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

百鬼丸と和解した多宝丸。

だが、約定を果たさんとする鬼神に無理やり多宝丸は意識を乗っ取られそうになる。

彼は鬼神から与えられた目を自ら抉り出し、百鬼丸に返すことでその呪縛から逃れるのだった。

そして姿を現す最後の鬼神。

 

もはや鬼神がさっくり倒されてしまうのは新どろろの風物詩。

出てきたと思ったら百鬼丸に一瞬で倒されてしまいました。

多宝丸に力を貸し与えてた時の方が強かったよね(`・ω・´)

鬼神なんてどうでもいい、別に描きたいことがあるんだ!とそっちを優先するこの割り切った脚本、ホントに嫌いじゃないw

 

 

目を取り戻した百鬼丸

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

最後の鬼神を倒し、目を取り戻した百鬼丸はその痛みに倒れこんでしまう。

そしてその頭上に火のついた梁が落下してくる。

だが、縫の方と寿海が百鬼丸を救うのだった。

この梁が落ちる瞬間、多宝丸が苦しむ百鬼丸「兄上」呼びして気遣ってるのが泣ける・・・。初めから父親の言うことを聞かずにいれば、こんな風に兄弟仲良くしてる未来があったかもしれないと思うと(ノД`)・゜・。

 

母のぬくもり

「あったかい・・・」

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

縫の方は、今まで百鬼丸に対して何も出来なかった。けれど彼女に抱きしめられた時百鬼丸は、彼女の手のぬくもりに、その声に、確かに愛を感じたはずです。

 

 

「よいか百鬼丸。生きろ。その血にまみれた身体に、鬼ではなく人を宿せ」

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

縫の方と寿海は百鬼丸にやさしく語り掛け、どろろが待つ外へ行くよう促すのだった。

別れの間際、振り返った百鬼丸が初めて見た風景は「二人のおっかちゃん」だった。

 

でもさ、寿海パパの言う手足を与えたのが間違いだったていうのは納得いかないよね(`・ω・´)

 

 

彼らの死

「多宝丸、許してください。さびしい思いをさせました。でもこれからはずっと・・・母はあなたの傍におりますよ。安心なさい、もう決して離れません」

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

百鬼丸を隠し通路から逃がした縫の方と寿海。

多宝丸は死の間際に求めていた母親の愛を手に入れた。

寿海は求めていた死に場所を・・・。

百鬼丸に思いを託した彼らは、死の間際まで幸せそうでした。

出来ることなら一緒に逃げてほしかったよ(ノД`)・゜・。

 

 

 

初めてのどろろ

 「どろろ・・・綺麗だ」

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

隠し通路の井戸から脱出する二人。

どろろは初めての百鬼丸の腕の柔らかさを堪能したり、目の見えるようになった百鬼丸どろろを見て綺麗と言ったり。

もっとやってほしい(`・ω・´)

 

 

焼け落ちる城を見る百鬼丸

「これがお前さんの因果の節目だ。しっかり見ておくんだね、その目で」

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

琵琶丸さん、相変わらず辛辣・・・(`・ω・´)

百鬼丸、泣きそうになってるじゃないですか(´・ω・`)

 

 

どろろ達のこれから

「金だ。武士の力も鬼神の力も借りねぇ、戦もしねぇ。となると残るのは金の力しかねぇだろ」

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

自分たちの国を作るために必要なもの、それはお金。

どろろ達はそのための資金を取りに行くことに。

どろろ百鬼丸にその話をして元気づけようとするが、彼は何かを考え込んでいる様子で出かけてしまう。

 

 

地獄堂にて

 「憎かろう・・・死せばこの身、魂魄となりて我が子多宝丸と この地を守る鬼神となろう!」

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

百鬼丸が向かった先は、鬼神がすべていなくなった地獄堂。そこには醍醐景光がいた。

殺されることを覚悟した醍醐景光だが、百鬼丸は彼を殺さなかった。

「俺は人だ。あんたも鬼神になるな。人として・・・生きろ」

と醍醐景光に告げ、去っていく。

 

すべての元凶である醍醐景光は、多宝丸、縫の方、多数の兵、そして城を失い死ぬことも出来ず後悔の日々を過ごすことに。

彼としては百鬼丸にすっぱり斬ってほしかったんでしょうけど・・。

 

 

 幼年期の終わり

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

そのまま、どろろに何も言わずに百鬼丸は旅立つ。その表情は穏やかだった。

 

思うに百鬼丸が最後にどろろの側を離れた理由、それはやはり22話での行いではなかったかと。

他者への共感を手に入れた彼が、今までの自身の行動を省みた時に自身が手に掛けたかもしれない人間達の親族と一緒に生活していくのは難しいと考えたのだと思います。

あるいは琵琶丸さんの言うように自身の存在自体が、どろろを危険にさらすかもしれないと考えたのかもしれません。

しかし、あんなにどろろどろろ言ってたのが嘘のようですね(`・ω・´)

 

 

稲穂の海で

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

駆け出したどろろの向かう先には、黄金の稲穂の海。そして、微笑む百鬼丸がいた。


 
 

エンドカードどろろと百鬼丸

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どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

ああ、もっとこういうほっこりした話が見たかったなぁ( ;∀;)

最後の鬼神、大物感を醸し出してたけど、結局エンドカードにもなれず・・・(`・ω・´)
 

 

 

まとめ

Aパートがあっという間に終わったと思ったらいつの間にかエンディングだったYO!

そんな体感の24話でした。

 

駆け足感はあったけれど、物語の落としどころとしては良かったんじゃないでしょうか。オープニングとエンディング無くせば、目を取り戻した百鬼丸どろろのイチャイチャをもう少し描けたのに・・・とも思いましたが(`・ω・´)

 

結局のところ、新アニメ版「どろろ」は醍醐親子と百鬼丸『喪失と再生』、そして『成長』の物語だったのだと思いました。(あれ、どろろは・・?

そして前回と新アニメ「どろろ」の不満点 で書いた疑問と不満は24話でほぼ解消しましたので、そういう所はちゃんと落としてくるのだなぁ~と感心しました(`・ω・´)

ちょっと遅すぎた感はありますが・・・。


あとはラストの黄金の稲穂シーン、成長したどろろと百鬼丸が再会することを予感させる余韻の残る美しいエンディングでしたね。

個人的に二人は絶対に再会できると思っています。

そんな追加エピソードとかあったら下巻がもっと売れると思うんですがダメですかMAPPAさん(`・ω・´)

 

おわりに

ということで、どろろ最終話どろろと百鬼丸の感想でした。

どろろが見れないと、来週から寂しくなりますね・・・。

もともとここは誰に見せる予定もなく、手持ちフィギュアの写真だけをのせた備忘録として始めたブログでした。

それがどろろの1話と2話を見て衝撃を受け、突然アニメ感想ブログにw

各話感想で色々言いたいことを言っちゃってましたが、この2クールは本当に楽しかったです。

どろろ製作スタッフの皆様、お疲れ様でしたm(__)m 

心に残る作品をありがとうございました。

そして、情熱だけの拙い文章の本ブログをここまで見ていただいたみなさま、本当にありがとうございました。

アニメ感想は続けるかどうかわかりませんが、ご縁があればまた違う作品でお会いしましょうm(__)m

 

最後は、24話を視聴して連想した大好きな原幸子さんの詩で締めくくりたいと思います。

 

おまえにあげよう

ゆるしておくれ こんな痛いいのちを

それでも おまえにあげたい

いのちの すばらしい痛さを 

 

あげられるのは それだけ

痛がれる といふことだけ

でもゆるしておくれ

それを だいじにしておくれ

耐えておくれ

貧しいわたしが

この富に 耐えたやうに――

 

はじめに 来るのだよ

痛くない 光りかがやくひとときも

でも 知ってから

そのひとときをふりかえる 二重の痛みこそ

ほんたうの いのちの あかしなのだよ

 

ぎざぎざになればなるほど

おまへは 生きているのだよ

わたしは耐へよう おまえの痛さを うむため

おまへも耐へておくれ わたしの痛さに 免じて

 

引用『幼年連祷 Iあたらしいいのちに』1964年 吉原幸子

 

人間として生まれ生きていくということは、楽しいことばかりではなくさまざまな痛みに耐えることをも意味しています。身体の痛み、心の痛み。そういったものに耐えながら、生きていく。それこそが命なのだと。だからこそ、喜びがより輝くのでしょう。

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吉原幸子全詩 1

吉原幸子全詩 1

 



 

 

 

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